大きな地震は突然やってきます。揺れを感じた瞬間、多くの人は「とにかく外に逃げなきゃ」と思ってしまいがちですが、実はその行動がかえって危険を招く場合があります。正しい知識と冷静な行動が、命を守る大きなカギになります。この記事では、揺れ始めた瞬間から揺れが収まった後までの一連の流れを整理し、「まず何をすべきか」を詳しく解説します。
揺れを感じた直後の基本行動
机やテーブルの下に身を隠す
地震の最中に最も危険なのは、家具や照明器具などの落下物です。無理に外へ走り出そうとすると、転倒したり、窓ガラスの破片を浴びてしまう可能性もあります。まずは、近くにある丈夫な机やテーブルの下に入り込み、姿勢を低くして揺れが収まるまで待ちましょう。このとき、机の脚をしっかりつかみ、身体が外に投げ出されないようにすることが重要です。もし机がない場合でも、家具の陰にしゃがんで頭を守るだけで被害を軽減できます。
頭を守るためにクッションやバッグを活用
頭は人体の中でも特に衝撃に弱い部分で、瓦礫やガラス片の直撃は命に関わります。身近にクッションや座布団、リュックサックがあれば、とっさに頭にかぶせて防護具の代わりにしましょう。特にリュックは硬さがあるため、上から落ちてくる物の衝撃をやわらげるのに役立ちます。学校や職場では、防災頭巾やヘルメットを備えている場合もあるので、普段から置き場所を確認しておくと安心です。
揺れが収まった後に確認すべきこと
火の元(ガス・コンロ・ストーブ)の確認
地震で怖いのは揺れそのものだけではなく、その後に発生する二次災害です。特に火災は、大地震で発生する被害の大きな要因のひとつです。揺れを感じたら慌てて火を止めるのではなく、まずは身を守ることを優先し、揺れが収まってから火の元を確認しましょう。調理中のガスコンロは必ず火を消し、ガス栓も閉めることが重要です。電気ストーブやアイロンなど熱を発する家電も、すぐにコンセントを抜いて火災を防ぎます。
家族や同居人の無事を確認
揺れが収まったら、まずは声を掛け合って家族や同居人の安全を確認しましょう。誰かが負傷している場合は、応急処置を行った上で救助要請が必要になります。パニック状態では小さなケガや打撲を見逃しがちですが、あとで大きな不調につながることもあります。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、特に安全を確保しながら行動することが大切です。また、家族の安否確認は安心感を与えるだけでなく、次の行動を冷静に判断する助けにもなります。
避難の判断基準
自宅に留まるか避難するかの目安
地震後は「すぐに外に出なければ」と考えがちですが、必ずしも外に出るのが正解とは限りません。建物に目立った損傷がなく、ライフラインが使える状況であれば、自宅に留まる方が安全な場合もあります。逆に、天井や壁に大きなひび割れがある、ドアや窓が歪んで開閉できないなど、倒壊の恐れがあるときは速やかに避難を検討してください。避難先は学校や公園などの指定避難所が基本ですが、夜間や雨天など状況によっては一時的に近くの広い道路や駐車場で安全を確保する方法もあります。
避難するときに持ち出すもの
避難時に必要なのは、命を守るための最低限の持ち物です。飲料水や非常食はもちろん、懐中電灯、モバイルバッテリー、簡易トイレ、常備薬などが入った防災リュックを用意しておきましょう。特にスマートフォンは安否確認や情報収集に欠かせないため、充電器や予備バッテリーは必携です。日頃から「玄関近くに防災バッグを置いておく」「靴は必ず出入り口付近に揃えておく」といった習慣が、いざというときの素早い行動につながります。
まとめ:地震が起きたときの行動は「まず身を守る」ことから始まります。その後に火の元を確認し、家族と声を掛け合い、状況を見極めて避難するかどうかを判断する。この流れを知っておくだけでも、パニックに陥らず冷静に行動できます。日頃からシミュレーションしておくことで、いざというときに自分と大切な人を守れる力になります。
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